海の森づくりニュースNo11

発行  2002年12月17日

                           編集   海の森づくり推進協会

                         埼玉県熊谷市月見町1−10

048−525−6103

特定非営利活動法人(NPO法人)の認証を受けることが出来ました!

門脇理事(鹿児島大学教授)の論文をニュースにてご案内したかったのですがPDFファイルのため、アドレスをご紹介いたします。

http://www.pref.kumamoto.jp/promotion/public/mr-kadowaki(14kaiyou).pdf

 

今回も斉藤理事の投稿が続きます。

注目!!ウッドクラッシャー&植物繊維破壊機

11月26日〜29日の農林水産環境展で参考出展した標記機器は、『バイオマス循環を完結』させるうえで効果的です。「海の森づくり推進協会」協会ニュースでもお知らせしたように、大変注目されています。是非皆さんと一緒に普及させましょう。

この装置については、ニュース8号g@〜Cで少し紹介しましたが、名称が統一されていません。よい名称を募集しています。

装置代 @ 1,000万円以上高価格品…植物繊維の破壊でなく、小さく破砕する

A 300万円くらいから…ただし小型だが、大型モーターを使用しているため、工場でないと使用が難しい

        B 165万円〜340万円…電力使用量が少なく、家庭でも使用可能

 

これまでは木片、草、竹の葉、木の枝先端部、葉の部分を綿状に破壊する装置の植物繊維を破壊する農業用でした。本装置は木材(直径100mm程度)や生長した丸竹の太い幹の部分を破壊し、かつふわふわの状態まで破壊します。図示しますと、

ところが本装置は@ABをひとつで処理できるので、農・林・木材加工・成形材料・廃棄物処理と用途が広がりました。動力源は従来のBの機械の1/10という小さく、移動が容易であり、騒音が少なく、利用先は無限にあります。私たちが準備している『粉体装置』と連携すると、

A.チップ

B.解繊            粉体(木粉)…D 

が、簡単にでき、チップより木粉化する加工時間が“数分の1”に短縮されますので、木粉も容易で安価になります。

 

木粉の成形材料化への重要プロセス

木粉にしますと、

@     射出成形も押出成形

※従来の成形機が使える方式(木粉+生分解性プラスチック材料)

A     A.海藻・貝殻・卵殻・草・非木材(早生植物)古紙・炭

B.プラスチック・セメントの増量剤となり、中でも竹粉をセメントに入れると従来の2倍以上強度が増すという。また竹を入れるとガラス繊維よりも優れた弾力性を持ち、炭素繊維並みの強度を持つ生分解性のある素材になるという研究も報告されている。

等、他の材料との混合が可能(Bを主原料としてAを混合)

となって、機能性木製品、プラスチック、セメント等々の代替製品の多面的展開が可能となります。

 

解繊品はバイオマス・エネルギー化の重要プロセス

 この解繊品は、木質・植物繊維を微生物に分解しやすいものに改質していますので、

@     メタン発酵…アルコール…水素…一酸化炭素―メタン回収

A     ペレット作成…暖房や熱源

も容易になってきます。バイオマスのエネルギー利用が、日本のように狭く、急斜面の多い土地でも可能になるのです。なお、木質だけですと微生物発酵エネルギー量が小さいので、“海産物”を添加すると大変早く、大きい“エネルギー”が取り出せるようになります。

 

牧草の品不足解消

今、日本は年間360万トンの牧草を輸入し、その7割、また飼料のほとんどを輸入しています。しかし、今、輸入先のアメリカ・カナダ・オーストラリアでの干ばつで、飼料はもちろん牧草も世界的に高騰し、不足しています。しかし日本には、“竹”“とうもろこし”“ケナフ”“麻”“オカラ”“アシ”“カヤ”等、早生種、非木材植物が大量放置されていますので、これらを解繊『機能性』をもった飼料が得られ、畜産の高品質も考えられます。また、こうした早生種はすぐに大きくなりますので、温暖化対策ともなる循環型資源としても効果的です。

 

以上、協会ニュースNo.8でご紹介したリグニンを化学的に分離し、バインダーとして使用する未来技術と違って、どこでも、誰でも、いつでも実行できるローテク技術〜粉体ビジネス〜が実現できるでしょう。

ご興味・ご質問のある方の御連絡をお待ちしています。

齊藤浩