海の森づくりニュース

発行日 2003年1月10日
編集  海の森づくり推進協会
     埼玉県熊谷市月見町1−104
п@   048-525-6103
メール urasimataro@nifty.com

No13

奄美支部より便りが届きました

奄美から到着

まってたよ!

家族で正月写真

水族館前に集合

甚平ザメだよ!

サメ博士の部屋で

映画の後で

スタッフ打ち上げ

奄美・沖縄海洋体験ツアー

=正月海洋人づくり=

 

昨年から今年にかけて奄美・沖縄の海では、境先生が、コンブを繁茂させて下さるべく、がんばって下さっています。十数年前、奄美にIターンして養殖を始めた私は、昨春境先生と出会いました。これまで薬を使わない養魚を続け、さらに餌には魚の健康によい粉末海藻・島内産ウコンやEM菌に加え、昨年はDr.フーズも加えて海もきれいにするように心がけ、また根本的に海を汚さないように養殖方法そのものの模索も続けています。

それでも海は徐々に汚れてきます。当たり前ですが、海は世界中繋がっていて、養殖業者や釣人や生活者などが皆で使うのですから、大気中の空気汚染と同じようなもので、一人の努力ではどうにもならず、周りの養殖業者、漁業者、市民との共通認識・連帯が必要です。海は一人の力ではどうにもならず、各界有識者が協力してのアプローチが必要なのですが、その前段階として人々は海を知らないのです。

 

昨年末、オープンしたばかりの沖縄本部にある美ら海水族館を見学する機会に恵まれました。海面養殖業という仕事柄、仕事の生命線として、魚によい海の水づくりを普段から心がけている私にとって、この水族館は感動ものでした。あんなに大規模にあれだけのレベルで水質を管理し、結果として海に住む動植物がとても気持ちよく泳いでいる姿に感動しました。陸の人間が造ったものではない、海の中そのものを切り取って再現された姿に接し、これを子供達にも見せたく思いました。これがきっかけとなり、沖縄の仲間たちにも呼びかけて、1月2日、総勢33名で「海洋体験ツアー」なるものを開催しました。

我が家の子供達は、私が折あるごとに養殖の餌やりや、船釣りに連れていったりしているので、海のすばらしさを知っていて、海の持つ可能性への関心は高いのですが、奄美・沖縄の普通の子供たちは、離島生活という面で海は捕らえていても、海と接する機会もそう多くは無く、海の良さに関しても漠然としか知らないようです。

そこで今年の正月休みは私の家族がホストとなって、沖縄の子供達に海のすばらしさを教えてあげようと、私が奄美大島に帰るのではなくて、奄美から家族を沖縄に呼んでの正月休みとなりました。

写真にてその時の様子をお伝えします。@~B1月1日、奄美大島から12時間かけての船旅で、家族が沖縄に到着しました。手には子供の釣道具。今年の正月写真は沖縄です。C~F翌朝、水族館前に集合して館内へ。水族館はとても混んでいました。館内では「黒潮の恵み」を主題にした映画もやっていて、その映画が終わって幕が下りるかわりに幕があがると幕の後ろは本物の大水槽で、みごとに魚たちが遊泳していました。G~I午後からは港に出て、体験漁業です。お父さんたちがカニ篭で漁をするのを子供達が別の船から観ます。「僕もやりたい!」「あぶないからダメ。大きくなってから!」J~L沖合いでマダイとマグロの養殖場を見て廻りました。また釣りイカダではタイミングよく釣人に大きな魚がかかりました。「僕も釣りたい!」と子供たち。しかし1日ではとても無理。ここでも篭アミをセットしました。

参加した子供達は、大きくなったら海の仕事をするんだと、目を輝かせていて言ってくれていたので嬉しく思いました。

今回、海洋体験ツアーに参加した方々は、子供より先にまず親が海を知らないといけないという意識になって下さいました。そして次回はお父さんを対象にして海洋体験ツアーを組んでほしいとの依頼を受けました。

まず海を体験して海を知ってもらい、海が好きになってもらった上で、現代社会の海の問題意識を持ってもらいたい。そうすることで、海の森づくり運動の価値もよく認識され、NPO活動への全面的ご協力も仰げるようになるのではないかと思っている今日この頃です。

 

2003年2月10日

奄美支部

伊地知 誠