Select Your Language 

海の森づくりに関連した書籍を紹介しています。

■沖縄の海藻と海草について書かれた本の紹介

「沖縄の海藻と海草(自然環境・養殖・海藻250種)」
 当真 武・著 433頁 2012年、出版舎Mugen

紹介:
著者、当真武氏は、沖縄県の水産試験場で、ほぼ40年間、海藻関係の調査や海ブドウやモズク養殖に関わってきた。これら調査研究の総まとめとして、海藻と海草に関する本著を刊行した。この本の刊行した動機は、生態調査を実施した頃、不明種の多いことの不便さを痛感し、後に続く海藻に関わる者の負担を軽減しようと考えたと書かれている。2012年に本著:「沖縄の海藻と海草(自然環境・養殖・海藻250種)」(出版舎Mugen )が刊行された。A4版で433頁にわたり海藻269種、海藻12種をきれいなカラー写真により記述している。分類記載から生態、また養殖も詳しく記載されている。温暖化で、亜熱帯性と言われる海藻が北上しており、手元にあて良い図鑑である。アマゾンや他のネット販売でも購入できる。
    海の森づくり推進協会事務局長 大野正夫

「沖縄沖縄の海藻と海草ものがたり」
 当真 武・著 167頁 2019、ボーダーインク

紹介:
2019年に当真 武著「沖縄の海藻と海草ものがたり」(有限会社・ボーダーインク 167頁)が刊行された、本著は、最初にカラー写真で多くの海藻・海草が示されて、海藻を知らないひとには、海藻に興味を持つだろう。沖縄海域の生育する海草と海藻の生態を知りたい中学生から高校生の副読本として良書であるが、海の生き物に興味を持つ一般の方にも興味深く読める。 著者は、長年沖縄の海の生物を見てきた経験から、読者が読みやすいように、いろいろと工夫を凝らした本である。この本は、沖縄の海の環境から始まり、海草と海藻の名前を知りたいものには、最初にカラー写真標本から、主要な種の見分け方を知り、次に生態について詳しく記述されことがわかる。 彼は、本著のなかで、「楽しんでやれることを見つけられれば自動的に得意になっていく」と語った2020年度日本国際賞受賞者の一人スパンテ・ペーオ博士は語ったことを紹介している。「私は遠回りして生物学(藻類)を学んだが、何事も楽しむことである」と記述している。興味のある海藻の名前を拾い読みしてもよい。
    海の森づくり推進協会事務局長 大野正夫

ウイルス感染症のパンデミックと国民生活

林 利光・著 127頁 2021年、本の泉社

紹介:
コロナウイルス感染が猛威を振るっている時に、下記の示す著書が刊行された。この本は、コロナウイルスにおびえる日本国民に、副題に示す「食によるコロナ対策」を科学的に紹介している。125頁の小冊子ではあるが、ウイルスの正体から繁殖の方法、なぜ爆発的な感染拡大するか、またその対処法を極めて分かやすく説明している。対処法として食生活による方法として、海藻食が日常的な食材であり、特に褐藻のアカモク、ワカメの芽株、緑藻のノリの佃煮(ヒトエグサ)を食することを奨励している。アマゾンなどのネット販売で、1100円と安価であるので、ぜひ多くの方に読んでいただきたい。    海の森づくり推進協会事務局長 大野正夫

■みんなが知りたいシリーズ15 魚の疑問50
蔵書版

高橋正征・著 192頁 2020年、成山堂

紹介:本著は、タイトルは魚の疑問となっているが、魚の図鑑や生態学ではなく、魚に関わる食の問題、漁獲量、貿易、魚の住む環境、温暖化の関係、魚資源の維持と増大、漁法から魚資源の展望と幅広い内容が包含されている。50項目のどこから読んでも、疑問の解決の糸口になっている。執筆の根底には先生の経歴がある。現在日本水産資源保護協会会長の重責にあり地球温暖化への対応に追われている。
高橋正征先生は、若い時にカナダに留学しブルテッシュ・コロンビア大学海洋研究所主任研究員を経て、長く東京大学教授として生態学の研究者であった。また海洋深層水の利用を推奨し、事業化をけん引された。のちに高知大学に開設された大学院黒潮圏海洋科学研究科初代研究科長(教授)として国際的活動をされた。このような活動の総決算として、本著をまとめられたと思う。多くの方が本書を読まれることを期待する。   海の森づくり推進協会事務局長 大野正夫

■海の森づくり―
いつまでも魚が食べられる環境へ

緑書房 (2010年3月刊)
ISBN-10: 4895310175
ISBN-13: 978-4895310178

漁業経済学者として国内外の水産業問題に携わってきた松田惠明氏が日本の漁業・水産業が抱えるさまざまな問題を提起し、漁業環境の復活のカギとして注目を集める「海の森づくり」について解説。
緑書房コーナー→こちらから

■改訂・沖縄県の絶滅のおそれのある野生生物(レッドデータおきなわ)
第3版-菌類編・植物編-

編集・発行 沖縄県環境部自然保護課著

2018年3月

当海の森づくりホームページの海藻生体写真集でも写真を提供いただいております島袋氏の海藻写真も記載されています。
PDFでも公開されています。→こちらから


 

■食文化の諸相
-海藻・大衆魚・行事食の食文化とその背景-

今田節子(ノートダム清心女子大学名誉教授)著

2018年6月25日(株)雄山閣 発行、
(税別本体15,000円)(アマゾンでも購入可能)
SBNコード : 9784639025856

詳細:著者は、岡山にあるノートルダム清心女子大学の食品栄養学研究室で、瀬戸内海を中心として、全国の海藻・大衆魚行事食を、ほぼ40年間、学生ともに調査を行い、海藻に関して、ほぼ全文の3分の1を割いて記述している。


 

特に朝廷への献上品としての海藻の種類や郷土食とて食べ継がれてきた海藻類を詳しく記載している。 特に瀬戸内海の食文化を詳しく記述されている。多分、現在入手できる海藻食文化史として、また大衆魚、行事食という視点は、この本以外には見渡らない。多くの者がかかわっで作成された資料と違い、一人、生涯をかけて、資料を集めまとめた努力は感嘆させられる。通読する本ではなく、座右に置き、必要な個所を読むという著書であろう。
 

  LinkIcon 株式会社 雄山閣の当著紹介サイト

 

■図鑑:相模湾の海藻.

松浦正郎(箱根植物会)著

夢工房、2014、214頁 (定価2,500円)

まだ在庫があるということで、学会誌に紹介しようと思い立った。この本は、私のふるさと、相模湾の海藻を親子2代で採集した標本から作製された貴重が図鑑と海藻植生が書かれている。著者の父の松浦茂寿氏は、私の母校、小田原高校の生物学の教師で、彼の定年・間際の時に教わった。彼は高校教師らしくなく、淡々と授業を行ったが、聞いていて楽しくなる授業であった。当時は箱根の陸上植物の大家と聞かされていた。この本の著者には全く面識がないが、この本が刊行された年に、故吉崎誠氏から、「相模湾の海藻」の本が刊行されたと連絡を受けた。相模湾は、岡村金太郎が、最も採集地として通った江の島、東京大学三崎臨海実験所のある三浦半島、筑波大学下田実験所がある伊豆半島を含み、日本の海藻学の聖地とも言える。多くの新種が相模湾から記載されている。

最近は、生(なま)の海藻葉体による海藻図鑑が多く出版されているが、きれいな押す葉にされた海藻は、種の同定に多いに役立つ。また、精魂がこもった標本写真は美しい。 
葉面上の模様、分枝の仕方も明瞭に分かる。また、種名の解説は3~5行と短いが、同定のポイントを見事に記述している。この本に記載されている種は383種である。伊豆半島の静岡県側は、亜熱帯性の海藻が生育しており、採集記録では400種を超えているが、典型的は温帯性の海藻の繁茂域である相模湾では、採集しつくした種数であろう。多くは海藻研究者が知っている種であり、挿入されている海藻に親しみが湧いてくる。また、この本には、採取地(産地)が記載されており、温暖化が進む現在、今は採取できないと思われる種もある。地方海藻誌であるが、海藻研究者には、手元に置いていた方が良い本であるので紹介した。
購入は、ママゾンや楽天で、購入できるが、夢工房(Email :yumekoubou-t@nifity.com)に、直接注文もできる。
 (紹介・大野 正
  高知大学名誉教授 〒781-1164 高知県土佐市宇佐町井尻226-2
  Tel:088-856-3203 FAX:088-856-0424 email:moseaweed@yahoo.co.jp)
 
Copyright 
  海の森づくり推進協会. All Rights Reserved.